クラウトロック・インダストリアル・ノイズな郷愁
All Aboutのメキシコ情報が2つ更新されています。
ぜひお読みください!
さて、さる3月19日に、メキシコシティ南部コヨアカン地区で、CANのメンバーだったイルミン・シュミットと、イギリスのミュート・レコードの創始者、ダニエル・ミラーがやってくるという、なんとも懐かしい気持ちにさせられるイヴェントがありました。
なんでも数年前にリリースされたCANの未発表音源集「THE LOST TAPES」についての講演会と、DJイヴェントだと。
会場のFONOTECA NACIONALは、詩人でノーベル文学賞作家としても知られるオクタビオ・パスの住んでいた屋敷を改修した国立の音響センターです。国内の貴重な音源のアーカイヴが集結し、最高な音響施設を持つ場所ということもあり、音楽系のイヴェントを楽しむのにはいいと思います。
最近では、Fennezやフアナ・モリーナもライヴをやったらしい。国立の文化施設なので基本入場無料なのも嬉しいです。
CANは昔クラウトロックがブームだったときに、お勉強感覚で聴いたくらいなんですけど、今回のイヴェントで懐かしくなって15年ぶりに『TAGO MAGO』聴いたら、めちゃくちゃかっこよくてたまげました(今さら気づいてんのカヨ!)。ミュート・レコードに関しても、ノイバウテンとか、ニック・ケイヴとか懐かしいなあ….
そこで思い出したのが、数々の恥ずかしい音楽遍歴。
クラウトロックが日本でやたら流行って再発がすごかった時期には、まだうら若かった私。レコメン系、ノイズ、実験音楽など、「この、わからなさがカッコいいんだよなあ」、と無理矢理聴いていたような気がします。今思い返すと青クサい。
そして、歳をとった今、改めて聴くと「かっこいい」と感じる音楽がけっこうあるのに驚いています。
イヴェントの話に戻りますが、余裕を持って行ったつもりが、会場ではすでに長蛇の列。
なんだなんだ~!メキシコってそんなにCAN好きが多いのか?
このCANの講演会が行われる講堂は定員オーバーで、あふれた人たちが中庭に座って、モニターの画面で、講演会の中継を見るという。
画面ちっちゃすぎるだろうが!
しかも、MUTEのダニエル・ミラーは体調が悪くなって急に来られなくなったそうだ。
そんなわけで、だんだん飽きてきて、ひとりだったので、その退屈しのぎのために
「もう、すでに帰りたい」「腹減った、一刻も早くタコス喰いたいから、可能な限り早く迎えに来い」と、まだ働いている夫に携帯でメッセージを送りまくってしまった。
講演会(というよりも、CAN時代の想い出話だった)後はDJタイム開始で、講堂にいた観客たちも、中庭に集合。人でぎゅ〜ぎゅ〜詰めに。
なんか、DJというよりも、パソコンに入っている音を再生し、適当にツマミをいじりながら、ただノリノリに身体を動かしているおじさん(イルミン・シュミット)を眺めるという……。
背景にはビデオが投影されているも、何か虚しい。
当然ながら、ビデオにはダモ鈴木の顔も登場
音響設備が最高なので、ものすごい良い音なのには間違いないが、これはレコードコンサートみたいなもんか。
で、なんでイルミン・シュミットがメキシコシティへ来たかというと、どうやらトラケパケ(ハリスコ州の民芸品が有名な街…そんなところで何故?)で、ミュート・レコードのフェスティバルが開催されたので、そのついでに来たらしい。
オーケストラ・マヌヴァーズ・イン・ザ・ダークとか、元デペッシュ・モードのヴィンス・クラーク などが参加。このフェスティバルのポスターがやばくて、ハリスコ州のイヴェントなのに、チェチェンイッッアーぽいピラミッドがでっかくデザインされ(ハリスコ州には、こんなピラミッドはない)、そこにナスカの地上絵のごとく、MUTEのロゴマークが入っている。
明らかにレイヴまがいのイメージ。まったくレイヴじゃないのに。しかし、なぜ今MUTEなんだ?…..メキシコって未だによくわからない。