気がつけば、ここはメキシコだった

メキシコ在住ライター、小さな食堂『EN ASIAN FOOD』のおばちゃん、All About メキシコガイド 長屋美保のブログ

メキシコが勝つ日

今年は、ワールドカップの試合中継をまったく見ていない。
というか、まったく見る気が起きない。
最近は物騒な話がますます増えて、暴力が当たり前みたいになってきて
女性たちは立ち上がり(それは、とても心強い)、勢いで始めたアジア食堂も、もうすぐ3年になるが、未だに、私の給料は出ていないし、昨年からやってる行政区担当の道路工事は未だに終わってないし、それも政権が変わる前に、予算を目一杯使ってやろうという突貫工事で、水道管が破裂して、うちの店がある場所の、一帯の水の供給がストップした。そのせいで、世の中は給料日で稼ぎどきなのに営業できず、どこへ行っても選挙の話で持ちきりで、景気の悪い話ばっかりで、物価は上がるし、デマばかりが流れて、でも、ワールドカップになるとみんな一丸となってシェリート・リンドを歌い、震災の復興は遅れていて、初夏なのに雹が降ってきて、道路の詰まった排水のせいで、住んでいるアパートの玄関が浸水したり、すっかり死んだと皆に思われてたホームレスの青年(その青年は、私が友人と喧嘩した時の愚痴話を聞いてくれて、仲直りのアドバイスまでいただいたのだが、彼自身はいつもケンカっぱやかったので、よく問題を起こしていた)が実は生きてたり、いろいろと毎日信じられないことばかり起こる。
 
つまり、
とてもワールドカップどころではない。
 
投票へ行く夫が、家を出際に言った。
「Ojalá que gane México(メキシコが勝つといいな)」
「え。今日メキシコ戦の試合あるの?」 
なんて悠長に答えたら
「今日の選挙のことだよ」と。
 
 民衆(メキシコ)が 巨大権力に勝てるのはいつなんだろう。
 
お隣の米国では、トランプが大統領になったくらいだから、いつドンデン返しがあるかわからない。しかもメキシコの場合、毎回不正選挙で、資本家たちにとって、融通がきく者が大統領になるわけだから左派のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドールが勝利をおさめたとしたら、歴史上のドンデン返しといえるけれども。どっちに転ぶか、みんな戦々恐々としている。
 
 
オブラドール支持者がたくさんいるのは感じているけれど、私は熱狂的に支持する気には、ならない。そう考えたところで、私にはこの国での投票権がないのだ。
誰も信じられない状況であるが、できれば、オブラドールが大統領になって欲しいけれど。
 
いったい、いつなんだろう。
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