気がつけば、ここはメキシコだった

メキシコ在住ライター、小さな食堂『EN ASIAN FOOD』のおばちゃん、All About メキシコガイド 長屋美保のブログ

メキシコ中部地震から20日後のメキシコシティ

メキシコ中部地震より、20日が経過しました。
食堂に常連さんたちが、やって来るたびに、お互いに無事を確認し合い、ホッとしています。
街はようやく、リズムを取り戻してきましたが、やりきれない思いでいっぱいです。
 
地震は予測不可能な天災でありますが、少なくとも362の死者を出した今回の地震の被害が、人災によるものであったことも、忘れてはいけないのです。
1985年のメキシコ大震災以降に建てられた建物でも、倒壊したり、半壊する建物が多かったのですが、これには、建築基準を無視して、安い建材や、適当な工法により建てられた建造物に対し、基準を満たしているという書類にサインをし、許可した行政側の責任が大きいのです。もちろん、行政側がデベロッパーから賄賂を受け取っているのは言うまでもありません。今回の地震では、完成して、9ヶ月しか経過していない分譲マンションも半壊しています。また、多くの建造物が被害に遭っており、危険だからということで、家に入れない人もたくさんいます。しかし、非情な行政区は、家を失った人たちに対して、早くも避難所から追い出し始めています。
人々は、何もなくなった土地にテントを張り、暮らしているのです。
 
メキシコシティ政府は、被災した世帯に、3か月間だけ、月3000(1万7千円相当)メキシコペソを支給するとしていますが、それだけで生活できるはずがありません。行政区は、支援のための資金が尽きたと言い張ります。では、世界中からメキシコへ集まった5700万ドル相当の義援金の行方はどうなっているのでしょうか?
 
そういえば、メキシコシティ政府は、今日ソカロ大広場で、大スターを集めて、震災後のメモリアルとして、入場無料のメガ・コンサートをやってましたが、そんなことに私たちの税金やら、集まった義援金が使われているとしたら、本当に腹が立ちますよ。使い途が違うだろうと。民衆をバカにしている。
 
そんな、全く頼りにならない政府を持っているこの国の現実から、メキシコでは、若い人を中心に、被災者へ向けての住宅プロジェクトが、複数立ち上がってきています。
友人たちもそんなプロジェクトに関わってるので、今後こちらでも発表できる機会がくるかと思います。
 
さて、実は5年ぶりに日本へ帰国します。
ご縁のある方々を通して、2つのイヴェントをやらせていただくことになりました。
まず、10月29日には、大阪・心斎橋のSAAにて開催の(10月27日〜11月2日)の死者の日イヴェント『DÍA DE LOS MUERTOS 2メキシコのお盆「死者の日」を感じるマーケット2』にて、トークショーをさせていただきます。
 
 
続いて、11月2日には、東京・代官山の「晴れたら空に豆まいて」にて、『メキシコ死者の日、記念パーティ!~メヒコ越境10年。メキシコ・シティでアジアン食堂を開いた長屋美保大報告会!』というイヴェントをさせていただきます。
 
両イヴェントともに、メキシコを通じて出会った仲間たちに、ご協力いただき、濃厚なイヴェントとなりそうですので、ぜひ、いらしてください!
 
両イヴェントは、一時帰国に合わせて、ずいぶん前から計画していたのですが、地震が起こった関係で、告知をしていませんでした。
また、地震を冠にした集客キャンペーンは決してやりたくないので、表立って記載しませんが、両会場には義援金の募金箱を設置予定です。これは、私が設置を提案したのではなく、イヴェントを企画していただいている皆さんのご厚意によるものです。
もしも、集まったお金の使い途をご相談されることがあったら、先にも述べた、友人たちがやろうとしているような、これからを見据えたプロジェクトや、直接被災者へ届けられるような形で使っていただきたいと強く思っています。
今回の震災で改めて思ったのは、信じられるのは、大きな組織や体制ではなく、目の前にいる人々だということです。そして、一度きりの人生なので、好きなことをして、日々を大切に生きていきたいです。
http://mihonagaya.com/