気がつけば、ここはメキシコだった

メキシコ在住ライター、小さな食堂『EN ASIAN FOOD』のおばちゃん、All About メキシコガイド 長屋美保のブログ

首が回らないけれど、時は巡る

以前から慢性的に首と肩のこりが酷いのだが、最近、店で立ち仕事をし続けているせいなのか、万年金欠のストレスなのかわからないけれど(おそらく、その全て)、ついに限界を感じてきた。
つまり、金欠で首が回らないうえに、実際にも首が回らない状態になってしまった。
そこで、思いきって、以前友人から紹介してもらった鍼灸院(なんと、先生は伝説の極悪役ルチャドール)へ通うことに。なかなか酷い状態なので、5日間連続で通院している。おかげで、首の痛みも、だいぶマシになってきた。
この先生が、かなり面白い人生を歩んでいて、診療の際に、彼の話を聞くのも楽しみのひとつとなっている。
先生は、試合で瀕死の重傷を負って、鍼灸によって復活できたことをきっかけに、ルチャを引退し、鍼灸師の道を選んだという。過去に、ルチャドールとして数々の栄光をつかみ、良い思いもたくさんしてきたから、「怪我を負って再起不能と診断されたことで愕然としたけれど、その怪我をきっかけに、鍼灸と出会えたことは、本当に良かった。患者さんの体を治す手伝いをでき、日々素敵な経験をさせてもらっている」と。
先生と比べるのもおこがましいが、私もライター業で稼げないことをきっかけに、飲食業を始めた。お客さんとのおつきあいの中で、作ったご飯を「おいしい」と喜んでもらえることで、貴重な経験をさせてもらっているな、と日々実感している。いろいろ挑戦し続ける先生の生き方にも、なんだか共鳴したのであった。
そして、過去に辿ってきたことは、良きも悪しきも、現在の自分の成り立ちと、切っても切れないものなんだと、当たり前のことを、当たり前に反芻した。
 
そんななか、私の20年以上前に撮った8ミリフイルム作品が、日本で再上映されるというお知らせを受け取った。
映画業界からすっかり遠ざかっていたのだが、こうやって昔撮った映画が、日の目をみるなんて、今までやってきたことは、決して無駄ではなかったのだなと思わせてくれた。
 
4月29日より開催される、イメージフォーラム・フェスティバル の、30周年記念プログラム「ユニーク・エンカウンターズ」内で、東京と京都での上映が決定している(東京は、4月30日、5月2日、シアターイメージフォーラムの「寺山修司」で上映)。
 

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詳しくは公式ホームページ内のプログラムを!
 
 
井口昇監督の『わびしゃび』(大好きな作品!)と同プログラムというのが、嬉しい。
 
そのほかの作品も、今観ても、新鮮で、面白いものばかりなので、この機会にぜひご覧ください!!
会場に行けないのが残念ですが、その分「おいしい」と感じてもらえるご飯をメキシコで地道に作り続けます。
 
さて、私がメキシコに何故いるのかは、未だによくわからないけれど、こんな遠くにきたことは、無駄ではなかったのだと、数十年後に思いたいもんだなあ。
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