Voodoo Funkの夜がメキシコシティへやってきた
本来なら毎週呑みにいったりしないのですが(そんなこと書いているのが既に嘘っぽい)、先週に引き続き、音楽イヴェントへいってきました。ブログvoodoo Funk を主宰するレコードコレクター、DJ、音楽研究者FRANK GOSSNER氏(米国の方なのでしょうか?)がメキシコへやってきて、DJをすることになったのです。しかも、ナイジェリアとガーナで発掘してきたという、45回転のアナログEPでDJというのが非常にソソるではないですか!
このフランク氏、日本でも2014年にツアーを行ったようですね。
会場はメキシコシティの中心部、大広場ソカロの真ん前のビルの5階にあるTlatoanisというお店。
昼間はメキシコ料理とか出しているレストランバーで、クラフトビールも揃っていました。
会場に着いたら、フランク氏がアステカ戦士のかぶり物をしてDJをしてました。
海外の有名DJイヴェントのわりには、入場料が50メキシコペソ(400円)という信じられないお得な価格です。私のような貧乏人にとっては財布に優しい(涙)。
このイヴェント主宰のTnt Discosの青年がコテコテのスキンズ(※簡単に説明すると、モッズやパンク系を愛好している者たち。頭は坊主刈りで、フレッドペリーのポロシャツやチェックのシャツ、タイトパンツにサスペンダーといったような特有の格好をしている人が多い)で、お客さんにもスキンズ仲間が多いのが新鮮でした。TNTは、ジャマイカのアーティストをメキシコへ招いてコンサートを企画したり、アナログ祭り的なイヴェントをやっています。
イギリスのレゲエやスカ、ロックステディのイヴェントにも、スキンズがたむろしていたように、メキシコシティで、それと似たようなことが現在でも起こっている感じが面白い。メキシコの場合、スキンズがジャマイカ音楽に加えて、クンビアやブーガルーといったラテン色が加わった音楽を楽しんでいるというのが、さらに面白いなあ〜と思うのです。
肝心のFRANK氏のDJですが、ファンク、サイケデリック、ソウル、ディスコとさまざまな年代のサウンドを堪能できました。
FRANK氏巨大なソンブレロを被ってDJ。邪魔だったようですぐに外していましたが。
写真だけ見ると、DJイヴェントというよりは、どこかの会社の忘年会のようなユルさ。お客さんは意外と少なかったのですが、みんな踊りまくって盛り上が
りました。なかには、酔いつぶれて床におもらしまでする青年が居て、困りましたが…….。その人はガタイのいい警備員につまみ出されました。そして床は消毒薬をぶっかけて、デッキブラシでごしごし清掃され、その間お客さんたちは、部屋のはじっこに集まり、掃除が終わるのを待つ。ファンキーなDJはそんな気まずい瞬間も続いているという妙な感じ。
しかし、さすがメキシコ。そんなことがあっても結局何事もなかったように、みんな楽しく踊りました。
店の窓からソカロが一望できます。「バブルの雪が降るメキシコシティ」の記事に書いた、趣味の悪いアイススケートリンクは撤去されていました。
ソカロへは、先週デモのために訪れたばかりだけど、何もないがら〜んとした広い空間はやっぱいいなあ。
この会場になったバー、Tlatoanisでは毎週末音楽イヴェントを行っているそうです。
最後にお知らせ。現在発売中の日経トレンディ「ニッポンの矜持〜グローバルヒットへの道」のために、メキシコ・ヤクルトを取材させていただきました。記事の写真はロス・コホリーテスの新作『サパテアンド』のジャケを手がけたマリオ・エルナンデス。ぜひチェックを!